夏の風物詩は色々ありますが、食べ物で言うとやっぱりスイカでしょうか
これは私のスイカに関するエピソードです
数年前の夏でした
大学での用事が存外早く終わってしまい、暇を持て余した私はあてどなく河川敷を散歩していました
普段歩かない辺りまで足を伸ばした先で、ちょっと面白いものを見つけたんです
それは西瓜でした
丸くて綺麗なものではなくて、おそらく西瓜割りに使ったのでしょう、見るも無惨に砕かれ、割れた西瓜でした
周りには誰もおらず、粉々になった西瓜だけがぽつんとそこにありました
ばらばらと飛び散った真っ赤な実は、空の青と河川敷の緑の中で、一層鮮やかに輝いていました
その鮮烈な色彩に、誰かの夏の思い出の残り香を感じ、一抹の寂しさを覚えたのです
夏は緑が生い茂り、花が咲く、生命を感じる季節だと私は思います
そんな中、まるで命の終わりを表現するような西瓜に、私は心を奪われたのでした
皆さんの夏の思い出はなんですか?